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2023年11月26日日曜日

2023年 年次大会および6月度例会

日 時:2023年6月10日(土) 13:30~17:20

実施方法:技術士会 中部本部 会議室、およびTeamsによるオンラインのハイブリッド方式

参加者:31名(会場:13名、オンライン:18名)

年次大会

古久根伸新会長より、2022年度活動報告、2023年度活動計画、2023年度幹事紹介

長谷部氏より、2022年度収支報告及び監査報告、2023年度予算計画 についての報告があった。

講演

講演 1: 1万円で買える機材や無料ソフトで学ぶ電気電子情報技術

講演者: 山下 洋一 氏(日本車輛製造㈱ 鉄道車両本部 技術部)

<内 容> (配布資料あり)

講演では、約1万円で入手できるNanoVNAを用いた回路測定と無料で使用できるLTspiceによる回路ミュレーションをデモを交えて紹介していただいた。

(1) NanoVNAについて

NanoVNAは、・回路のインピーダンス測定 ・部品のLCR ・アンテナのVSWR

・回路の周波数特性測定 ・フィルタの通過特性 ・TDR測定 ・ケーブル長障害箇所 などが測定できる優れものである。

講演では、アンテナVSWR測定、フィルタ回路の測定、EMC対策フェライトコアについて説明された。

(2) LTspiceについて

LTspiceを用いた回路解析デモとして、・RC回路の解析、・OPアンプ回路の解析、・バッテリーチャージャー回路の解析、・リレーシーケンスの解析について紹介された。

また、重大インシデント調査事例(運輸安全委員会ニュースレター2011.2)での活用事例が紹介された。


講演 2: 様々なセンサを用いた位置推定・行動認識とその応用システム

講演者: 梶 克彦 氏(愛知工業大学 情報科学部 情報科学科 准教授)

<内 容> (配布資料あり)

スマートフォンには、加速度・角速度・気圧センサといった様々なセンサが搭載されていて、それらのセンサ情報を利用すれば、屋内にいる人が、今どこにいて、何をしているのかを推定する手がかりになる。講演者はこれまでに様々な屋内位置推定・行動認識技術に関する研究を行っており、それに基づいて位置情報サービスを構築してきた。 今回の講演ではそれらの研究成果を中心にご紹介していただいた。

以下の内容について講演された。

(1) 行動認識・屋内位置推定に関する研究として

Wi-Fi電波を用いた位置推定、Fingerprinting(位置指紋)、PDR(歩行者自律測位)、気圧でフロア推定、磁場マーカを用いた位置推定、気圧センサで歩行認識 etc. の研究について紹介していただいた。

(2) 行動認識・位置推定の応用事例の紹介

・自動車接近をやんわり教えるアプリ ・歩きながらのゲームプレイを自然に止めたくなるゲームシステム ・ジョジョ立ちしないと開かない冷蔵庫 ・BLEビーコンを用いてだれが研究室にいるかわかる ・簡易的心臓マッサージ練習機 ・卓球のラケットに取り付けた加速度センサによるスイングセンシング など、現在行っているスマホ内センサを使ったユニークな機能のアプリ開発の紹介していただいた。

2023年2月18日土曜日

2023年2月例会・講演会

  日 時:2023年2月11() 13:3017:10

実施方法:オンライン(Zoom

参加者:44

 (1)講演

 AIロボティクス技術を活用したスマート農業

講演者: 深尾 隆則氏(東京大学 情報理工学系研究科 知能機械情報学専攻教授)

<講演概要>                          (配布資料あり)

 制御技術とコンピュータビジョン、AI技術を統合的に組合せた自動化を多くのプロジェクトで実証されている中から農業分野の事例を中心に紹介頂きました。農業が抱える人手不足という課題を自動化で解決するための収穫・運搬システムにおいては、GPS、ステレオカメラ、LiDAR(ライダー)などのセンシング技術とAIによる認知をまとめた統合制御で実現していることを多くのビデオ映像を示しながら説明頂きました。人が普通に行っている作業も自動化しようとすると難しく、AIに判断させるためには画像の撮り方や学習のさせ方に工夫が必要であることを知ることができました。現状の自動化には大きなコストが必要で大規模農家でないと成立しないという課題もあるとのこと、自動化を目的とするのでなく農家に喜ばれるような解決を考えることが必要、というような課題に向き合う姿勢を示唆頂けた良い講演でした。

 (2)講演

 電気屋さん視点から見た今後道路インフラが要求してくる現実
起こりうるインフラ投資拡大に対応するために

講演者:講演者:盛田 直樹氏(西日本高速道路エンジニアリング中国株式会社)

<講演概要>                          (希望者のみ配布資料あり)

 日本の抱える人口減少や経済成長の伸び悩みという社会課題を踏まえた上で、物流・輸送を担うインフラである鉄道や道路の保守整備の民営化を進めてきたために顕在化してきた問題を講師の業務体験から分析、紹介頂きました。公的資金の流れ方や組織における仕事のやり方など改善すべき点に目を向けた上で技術面からの課題解決についても紹介頂きました。特に保守点検などの工数軽減にはデジタルカメラや画像処理、AI技術を活用することで人が行っている作業を代替わりできることを示されました。車両に観測・計測器を搭載した車を走らせながら道路設備の点検を行うシステムの導入など将来展望についても教えて頂きました。企業内には専門技術者が不足している部分もあり、他社との協働や技術士の皆さんの協力も期待しているとのことでした。設置から長期間が経過しているインフラの保守整備には、エレクトロニクスやAI技術などを活用したシステムが求められ、また期待されていることを知ることができた講演でした。                          

 (3)交流会

 講演会終了後に講師のお二人を含め12名の参加でオンライン交流会を行いました。講演会でお話しいただいた解決すべき課題の背景にある社会課題の現状など一層踏み込んだところを率直に紹介頂き、有意義な交流を図ることができました。


 

                           記:三浦久博(幹事)

2023年1月23日月曜日

2022年12月・情報工学実践セミナー(AIコース)

 電気電子情報工学分野は技術の進歩が急激で、その進歩に追いつくには講演を聞くだけでなく、自ら手を動かしてその技術を習得することが必要と考え、人工知能(AI)の実践セミナーを2022/12/4(日)、12/18(日)の計二日間実施しました。

 1.セミナー内容

  1. Python言語やAI関係の予備知識は不要として参加者を募集しました。
  2. 参加者には各自のPCを持参していただき、そのPCでAIの操作を体験していただきました。
  3. 無料ソフトと無料クラウドを使いました。
  4. 講師は企業でAIを使っている20代研究者(技術士1次試験合格者)野崎航平氏にお願いしました。
  5. 画像ファイル名称の入力とボタン操作だけで、画像認識を実現する仕掛けを講師が事前に準備しました。またアシスタント1名が、うまく操作できない人を支援しました。

2.実施結果

  1. 一日目は参加者10名(40~70歳代)全員がAIによる風船画像の認識を4時間で実現できました。二日目は画像内の人間の姿勢(骨格)を表示できました。(下図参照)
  2. 参加者から「体験できたことが良かった。今後、同様なセミナーを継続してほしい。」等の感想を頂きました。
  3. 参加人数は技術士部門ごとに機械×4、電気電子×3、建設×1、上下水道×1。技術士以外の一般参加者×1。多分野に渡ってご出席頂きました。 

風船認識

姿勢認識


 


2022年11月例会・講演会

 日 時:2022年11月26() 14:0017:20

実施方法:オンライン(Zoom

参加者:20

 (1)講演

半導体技術者が技術士(応用理学)を取得して何が見えるようになったのか

講演者: 鈴木孝昌氏(技術士(応用理学部門))

<講演概要>                          (配布資料あり)

これからの時代、様々な得意分野を持つ人材となること、あるいはそういう人材を育てていかないといけないと感じている。人材タイプを5分類で考えた場合、T型人材であるよりも、π(パイ)型、あるいは櫛型人材になることを心がけよう。電気電子情報工学部会にいる皆様は、その部門の高い専門性を磨くのも大事だと思うが、いろんな分野に興味を持って、いろんな方々と関係を築いていくことも大事だと考える。そうすることで、自身の専門性分野も増えるし(π型、櫛型人材になる)、社会全体で見れば、新しい技術発展や経済発展につながると思う。世の中では「サーキュラーエコノミー(循環経済)」という考えが提案されている。大量消費をベースとしている日本型経済構造などと一線を画す。特に欧州が力を入れ始めている考え方である。これには一企業、一個人だけで何かをしようと思ってもダメで、相互の連携が必要となる。このような背景をもとに、私が応用理学部門で技術士資格を取得したのも、この部門が色んな分野の技術が関係しているものであり、π型、櫛型の人材を目指して活動していくために有益であると思ったからである。皆様も、多くの分野の技術に関わって頂けたらと思う。


 (2)座談会(16:00~17:20)

講演者の鈴木先生、出席者約15名を中心に情報交換会を行いました。
各自の現況、抱えている疑問、興味のあるトピック、過去の経験談など、会話の中から様々な自己啓発につながる情報が提供されました。
一部の方々のトークに盛り上がり過ぎてしまった事もあり、予定時間をオーバーしてしまいました。
当初の出席者全員に発言の機会が回らなかった事、この場をお借りしてお詫び申し上げます。
またのチャンスによろしくお願い致します(謝)。

 

                           記:古久根伸征(幹事)