日 時:2023年2月11日(土) 13:30~17:10
実施方法:オンライン(Zoom)
参加者:44名
(1)講演
「 AI・ロボティクス技術を活用したスマート農業」
講演者: 深尾 隆則氏(東京大学 情報理工学系研究科 知能機械情報学専攻教授)
<講演概要> (配布資料あり)
制御技術とコンピュータビジョン、AI技術を統合的に組合せた自動化を多くのプロジェクトで実証されている中から農業分野の事例を中心に紹介頂きました。農業が抱える人手不足という課題を自動化で解決するための収穫・運搬システムにおいては、GPS、ステレオカメラ、LiDAR(ライダー)などのセンシング技術とAIによる認知をまとめた統合制御で実現していることを多くのビデオ映像を示しながら説明頂きました。人が普通に行っている作業も自動化しようとすると難しく、AIに判断させるためには画像の撮り方や学習のさせ方に工夫が必要であることを知ることができました。現状の自動化には大きなコストが必要で大規模農家でないと成立しないという課題もあるとのこと、自動化を目的とするのでなく農家に喜ばれるような解決を考えることが必要、というような課題に向き合う姿勢を示唆頂けた良い講演でした。
(2)講演
「 電気屋さん視点から見た今後道路インフラが要求してくる現実」
~起こりうるインフラ投資拡大に対応するために~
講演者:講演者:盛田 直樹氏(西日本高速道路エンジニアリング中国株式会社)
<講演概要> (希望者のみ配布資料あり)
日本の抱える人口減少や経済成長の伸び悩みという社会課題を踏まえた上で、物流・輸送を担うインフラである鉄道や道路の保守整備の民営化を進めてきたために顕在化してきた問題を講師の業務体験から分析、紹介頂きました。公的資金の流れ方や組織における仕事のやり方など改善すべき点に目を向けた上で技術面からの課題解決についても紹介頂きました。特に保守点検などの工数軽減にはデジタルカメラや画像処理、AI技術を活用することで人が行っている作業を代替わりできることを示されました。車両に観測・計測器を搭載した車を走らせながら道路設備の点検を行うシステムの導入など将来展望についても教えて頂きました。企業内には専門技術者が不足している部分もあり、他社との協働や技術士の皆さんの協力も期待しているとのことでした。設置から長期間が経過しているインフラの保守整備には、エレクトロニクスやAI技術などを活用したシステムが求められ、また期待されていることを知ることができた講演でした。
(3)交流会
講演会終了後に講師のお二人を含め12名の参加でオンライン交流会を行いました。講演会でお話しいただいた解決すべき課題の背景にある社会課題の現状など一層踏み込んだところを率直に紹介頂き、有意義な交流を図ることができました。
記:三浦久博(幹事)
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